式 紗彩ワンマンライブ~ Iと1私の解~
|証明したいのは「解」ではなく「変わらない約束」。今年1月24日に6曲入りミニアルバム『Butterfly Attack』でメジャーデビューを果たした、シンガーソングライター 式 紗彩。未発表曲を携えた、初のフルバンド構成での豪華ワンマンライブに完全密着した。過去の自分、今の自分、そして、彼女が信じるこれからの自分とは。
初のフルバンド構成でのワンマンライブ
2018年8月29日、彼女は原宿クロコダイルのステージにいた。1月に行われた渋谷eggmanでのレコ発ワンマンライブを大成功で遂げたのがついこの間のように感じる。メジャーデビューを果たし日々の生活は緩やかに、そして時に激しく大きな波にのるかの様に変化している。式 紗彩史上初の試みとなったフルバンド構成でのスペシャルワンマンライブ、誰もが忘れられない大切な一夜となった。
彼女の音楽の核とも言える鍵盤の音を奏でるキーボード2 台を始め、ギターが3本、ベース、サックス、そしてドラムといった8 人の豪華なバンド構成に、会場に集まったファンはさぞかし驚いたことだろう。告知もさながらチケットはライブ前々日にソールドアウト、ライブハウスは満員御礼で開演時にはドアから人が溢れ、会場に人が入りきらないという幸せなトラブルにも見舞われた。
セットリストはミニアルバム『Butterfly Attack』の楽曲ほか、インディーズ時代のメモリアルソング、彼女がこの日の為に選んだカバー楽曲、そしてライブ初披露となる未発表曲3 曲が用意されていた。一部と二部で衣装をチェンジ、セットリストやステージ演出の1つ1つに意味をもたせるというこだわりは前回の渋谷eggmanでのワンマンから大きく成長している部分ではないだろうか。
MCでは彼女の得意分野でもある数学の話題が出てくると思いきや、何ともエモーショナルなメッセージを伝える時間となった。新曲に込めた想い、ファンへの感謝の気持ち、アーティストとして生きて行く覚悟のようなものすら垣間見えた言葉から会場は独特な緊張感に包まれた。熱い視線がステージの中央に集まるのを感じながら彼女はポツリポツリと語り出す、新曲「i」について。
(式 LIVE MC より)「今から『i』という新曲をお届けします。この曲は、私の楽曲では珍しい恋愛をテーマにした曲です。実はデモの段階でとても気に入ってくれた方々がいて、この曲を本気で世に出そうとしてくれています。歌詞は私ではなく、中島美嘉さんの『雪の華』を作詞されたSatomiさんという方に書いて頂きました!今までの自分では描けなかった世界や音楽、私の可能性が広がる曲としてとても大切に歌っていきたい楽曲です。」
彼女が得意なバラードソング、真正面から想いを伝えるラブソングはとても新鮮だった。そして、セットリストの最後を飾ったのは『trust』。
彼女にとって「信じる」ということ。
(式 LIVE MC より)「私の尊敬する小高光太郎さんという作編曲家の方にプロデュースをして頂いた初めての楽曲です。ずっと小高さんの作品に憧れてきました。いつか一緒に…と夢みていた人と夢のような環境で作った夢のような音楽の時間。今この瞬間ももしかしたら夢なのかな(笑)なんて考える日々を今日この日まで過ごしてきました。こうしてステージに立っていること、本当に幸せです。夢なんかじゃないんだね(笑)私の作ったデモ(音楽の卵みたいなもの)から誰かと一緒にその曲をもっと良い形に作り上げていくということ、昔の自分には想像もできなかった時間でした。不安になる時もあるけれど改めて今感じるのは、自分を信じること、夢は叶うと信じること、私を応援してくれる全ての皆さんを信じるということ、それが一番大切で価値のあるものだという答えが見つかりました!私は必ず夢をつかみます。だからこれからも私を信じてついてきて欲しい。そんな想いと感謝を込めて歌います。」
満面の笑顔からスイッチが入る。
『trust』、今だから言える、彼女が導きだした「解」。タイトルに込められた想いは正しく彼女の今で、変わらない約束。新たなステージを着実に踏みしめ、力強く歩んでいく一歩一歩は、夢が叶うことを疑わない彼女の証。過ぎてゆく時間をいつかみんなと一緒に笑えるように。と、それは見ている者にも伝染するのだ。
PROFILE
シンガーソングライターとして今年1 月、ミニアルバム『Butterfly Attack』でコロムビア・レコードよりメジャーデビュー。音楽活動のほか、ネット配信やモデル、イベントM C など活動の場は幅広く、活動拠点となる東京・高田馬場の公式アーティストとしても活躍中。
Twitter / Instragram: @saaya_shiki
Web: shikisaaya.jp