ドローンの意外な豆知識 ーイベント編ー
|ここ数年、何かと巷で話題となっているのが無人飛行機 “ドローン”。ようやく多方面で活用法が見出され、イベント業界では空撮をはじめ様々な場面で活躍している。まだまだポテンシャルを秘めている。そのワクワクする可能性についてドローンの “プロ” に伺った。
株式会社ハミングバード
「空から夢をみよう!」を理念に、ドローンを活用した ビジネスサービスの提供、ドローンスクールの運営に よるパイロットの育成を行っている。
ドローン によって、イベントはより楽しくなる!
―まずはドローンの歴史を教えてください。
鈴木:ドローンは第二次世界大戦(1939-1945)の際にアメリカ軍が偵察機として無人の航空機を作ったのが始まりなんです。それが今や、空から撮影したり、物を運んだりと多様化してきました。
―今のドローンにはどんな機能がありますか?
三浦:昔は本体とカメラが別でしたが、DJI社のPhantom 3という機種が開発されて一体となり、使用用途も大分広がりましたね。何がすごいかという と、ぶれない映像が撮れるんです。そして、今までは空から物を見る時に、ヘリに乗ってカメラで覗き込んでいたのを、ドローンで撮れるようになった。つ まり、身近に空上からのレアな映像を撮れるようになったので、そこから様々な場所で活躍するようにな りました。最近では4Kが撮れたり、自動機能も優 れていますし、被写体もロックオンできるので、操作する上でワクワクします。
―多機能ですが、安全面ではどうですか。
鈴木:実はドローンって1つの事故がすごく注目されてしまい、安全性を心配されがちですが、事故率で言えば、0.01%ととっても低いんです。 三浦:人とは違う視点を持った新しいもので、楽しい。 そして、安全面が高いからこそ、ドローンがここまで発展してきたんだと思います。
―イベントで使用されるようになったのは、だいたいいつくらいからですか?
鈴木: Phantom 3が開発された5、6年くらい前か らイベントで活用されるようになったんですが、特に初めは音楽フェスの空撮で使用されていました。 あとはバイクなどのスポーツイベントの空撮も、数は少ないですが行っています。イベント以外のエンタメ でも、MVの撮影で頻繁に使用されていますよ。
三浦:他にも東京ガールズコレクションでのパフォー マンスや、ミラノで行われたドルチェ&ガッバーナ のファッションショーで、なんとバックをモデルでなく ドローンで運ぶ使い方もしたんです。かなりユニー クな使用例ですが、多様な方法で活用されていま す。フェスやイベントを中心に発展してきたんですが、 現状はまだルールが厳しいんです。人との距離だったり、高さだったり。そういったルールがある中でも、 きれいな映像は確実に撮れるという利点を生かし、 特に空撮は増えて来ているんだと思いますね。
―最近のイベントで印象に残っているものは?
三浦:昨年のBEGINのライブ現場が印象的でした。
鈴木:毎年彼らが金王八幡宮で行う奉納ライブを空撮させて頂くことになりました。夜の渋谷に2,000人もの大人数が集まり、ドローンを飛ばすにあたり、 安全を最優先に確保するにはどのようにしたら良いか、スタッフ全員で協議を重ねる案件でした。
三浦:あとはバラード調の曲が多いので、飛行音をとにかく気にしました。静かな曲ではを降ろし、明るい曲の時だけに飛ばしました。どんなに大変な現場でも、人が喜んでいるところを俯瞰的に上空から撮ると美しい映像が撮れるので、やって良かったなと。これからも色んなイベントに挑戦していきたいです。
―今後、イベント業界での発展も楽しみですが、他の分野でも活躍しているとお聞きしました。
鈴木:イベントよりも実は今32%くらいがインフラ整備で使用されているんです。例えば建設現場で物を運んだり、測量も優れているので活用されたり。
三浦:橋の上や太陽光パネルの点検もあります。今まで人がやると危険を伴っていましたが、ドローンでは安全かつコストを削減して作業を進めることもできます。あとは道路チェック、農業での農薬散布など、以前より短時間で作業できるようになりました。
鈴木:その他には最近、森林調査で、上向きに咲いているブナの花をドローンで上から観察し、ブナの生育状況によって野生動物が山から人里に下り
てくるかどうかを調べましたね。花が多い=食料が山に豊富にあるということで、今回は多かったので下りてくる可能性が低いという結果で安心しました。
三浦:あとは人命救助があります。例えば災害や事故が起こってしまった際に夜でも感知できる赤外線を利用し、人の体温を読み取り遭難者を探しだせ
ます。ドローンは人の命を守るためにいつでもどこでも探すことができますし、何より安全でスピィーディーなんです。いざという時のために、1地域にドローン1機あってもいいんじゃないかなと思いますね。
―最後に今後ドローンを活用したいイベントなどあれば、ぜひ教えてください。
鈴木:やはりスポーツ系イベントでの使用をこれから増やして行きたいと思っています。平昌五輪で使用されて、話題にもなっていましたし。
三浦:オリンピックは世界規模なので、ぜひ東京五輪をドローンで撮影して、その映像を世界に発信できたらいいなと思っています。特にマリンスポーツは風が立つのでヘリでの撮影は厳しいんですが、そこをドローンでカバーできればと考えています。あとは撮影以外での活用も考えていますので、ぜひ2020年東京五輪は期待して頂けると嬉しいです。
進化したドローンを比較!
DJI社のドローンは、以前のPhantom 2までボディにカメラが備わっていなかったが、Phantom 3からは単体で鮮明な映像を空中から撮影できるように。最新型のPhantom 4はバッテリーの持ちと、ハイスピード撮影がグレードアップしている!
こんなところでもドローン発見!
ドローンをイベントで使用するためのルール
イベント会社シミズオクトもドローンを使用した撮影を導入。
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